美術教育学生会議に行ってきました!
2015年 09月 22日
こんにちは!美術研究室副手の齊藤です(^^)
9月21日(月)に横浜国立大学で行われた大学美術教育学会の企画「美術教育学生会議」に大成ゼミの学生(4年生2名、3年生5名)の引率として参加してきました!
以下、学生会議での内容を簡単ではありますが
記載させていただこうと思います!
***
学生会議 in 横浜国立大学
テーマ:『美術と生きる』
参加団体:横浜国立大学(12名)、聖徳大学(7名)、多摩美術大学(1名)、滋賀大学(1名)、東京学芸大学(5名)、武蔵野美術大学(4名)、福島大学(1名)、宇都宮大学(1名) 計 8校(32名)
●テーマについて
・美術について→「美術ってなんだろう?」
・初めて習うのは小学校の「図工」、そこから中学高校の「美術」…
・子どもの時は絵を描いたり積み木をしたり…
習わなくても自然と触れていたもので社会人になってからも趣味等で触れている
⇒「美術」とは、ずっと共に生きていくものなのでは??
◎教科としての「美術」(30分間) グループディスカッション
あり方、理想、体験から…
〈1班〉
・今の教育「規則」「制度」は上からの縛りがある
・「のびのびと描かせる」→子どもにとって逆にストレスなっているのでは?
・「美術」が特別な教科という考えをなくそう
・運動会のリレーの絵を描いた時に「こんな風に走る人がいるもんか」と言われ、「他の人と違うことをしたら批判されるんだ」と感じた
→人と違うことや表現ができるのが美術なのではないか
〈2班〉
・図工は考えている過程、コミュニケーション力、生きていく力を身につけるもの
・大人の広い理解が大切なのでは?
・完成形を褒めるだけではなく、子どもが1番輝いている過程を褒める
Q.「生きていく力を身につける」と言っていたが、あなたはどんな力を身につけられましたか?
A.ちょっとした「いいな」を感じることができる気持ち
〈3班〉
・先生=教科の評価
(A先生が好きだから国語は好き、B先生は嫌いだから数学は嫌い など)
・苦手意識を持っている子の「苦手」はどうしたらなくせるのか
・学ばせたい力とは?
→想像力、愛好心、チャレンジする力、判断力
〈4班〉
・個人や個々を認める、認め合う
・幼稚園では素材に触れて自己表現を楽しみ、小中学校では図工(造形・自己表現)は好きだけど美術(技術・評価)は嫌いだと感じる子がいる
Q.個人や個々を認め合える授業は美術だけではないのでは?
A.美術だけではないが、美術にはそういう要素がたくさんある
(↑15~20分くらいの白熱した論争)
〈5班〉
・実習に行って「先生は色々と考えて授業を行っているんだ」と感じたことがある
・なぜ「美術」は教科でなければいけないのか
・幼い時はお菓子の箱が素材になったり、絵を描いて気持ちを相手に伝えたり表現していたが、大人になるにつれてお菓子の箱はゴミになり、絵で気持ちを表現することが減っていく
・美術ってなんなんだろう?という感じ
Q.お菓子の箱は素敵な素材なのに、どうして大きくなるとゴミだと思ってしまうのか
A.絵や石像が「美術」でお菓子の箱は「ゴミ」という考えになってしまうきっかけがあったのでは
〈6班〉
・幼稚園の時、美術は自分の生活の一部化していたが、中学高校になって「図工」「美術」と枝分かれしていくにつれ、苦手意識が高まる?
・教育者(先生)は「保護者の目」が気になる
子ども達は「他の子の目」が気になる
(10分間の休憩)
◎私達の生活と美術の関わり(30分間) グループディスカッション
生涯教育としての美術、生活の中の美術、…
〈1班〉
・生涯を通して美術と関わること→なくてもいいけどあると豊かになる(感性、視点等)=美術
・アート(アーティスト)とはなにか
→人の「やってはいけない」ということをあえてやってしまう、やれてしまうのがアーティスト
「海=青」
「本当にそうだろうか」キラキラしているから黄色を、緑っぽくも見えるなぁ、…
・新しい視点や観点を学校で広げていくことで、生涯をとおしての美術愛好につながっていく
〈2班〉
・「美術」という言葉がどこまで及んでいるのかしっくりこない
・作品を作らなければ美術じゃない?→そういうところだけではない
・作らなくても感覚的に「あれが○○に見える」も美術?
・大人(教師)は仕事っていう面があって美術に触れているような気がする
〈3班〉
・身の回りのもの(人工物)は全て誰かがデザインしたもの
・自分の中にある美術=美意識
・他者との関わり合い、コミュニケーション
〈4班〉
・学校での美術と一般の美術の枠組みについて
学校の美術→彫刻や油絵など学校で学ぶようなもの
一般の美術→展覧会等の作品を眺める
・今の「美術」の中に最新の美術(現代のイラスト、漫画など)が取り入れられているか…
〈5班〉
・生涯の美術と考えたら、美術の愛好心を育てる
→美しさを知る心を育てなければいけない
・幼い頃は反射的に動いている(発している)ものを見ていたが、歳を取ると止まっている(発していない)ものに自ら興味を示すようになる
・違いを感じてそれぞれの良さを知る
・自分で価値を見つけて働きかける
・個性の認め合い、共感
・人生がちょっと楽しくなるような視点や力が生涯教育につながるのでは?
〈6班〉
・一般的な美術とは?(季節を感じる、ものを作る)→それぞれによって視点が違う
・「美」とは?→人間が価値を見いだせるもの
・「美術」の生涯教育とは、自分の意見を表現するもの
なぜ「美術を生きる」というテーマにしたか?
・「○○さんらしいものを育てよう」というわりに、なぜ国に決められたものに沿ってやっているのか…?
・美意識とは、人に教えられて身についたものではなく、コミュニケーション等を通して自分で身につけたもの
・学校ではなくても造形教室等でもっと自由に伸び伸びとできる機会は増えている
⇒「美術」の授業は減らされてきているのに、なぜ美術を義務教育として取り入れているのか?
「美術」は必要なのか?を考えたかった
(以下、全体ディスカッション)
・「美術」が義務教育として生き残るためには、データとして表せられない創造力さえもデータ化して伝えなければならない時代がきている
美術には説明できない素晴らしさがあるけど、これに限界がきたのではないか
・個々でやっていても他者のものを見ながら発展させることができるものが美術
「美術ってこういう教科だよ」って伝えたり発信できると良いのでは
・なぜ美術が減らされているのか→「おあそび」だと思われがち
・図工は義務教育として必要
・楽しさをもとにして身につけられるもの
・作品を芸術作品とした時に、周りが「これは芸術?」ということがある
芸術作品を作ることが美術?
・作品を作っている過程を映像として残す
・魅力を感じて自分の引き出しにしまえる力を養う
・基本化されたものを打開して、自分の素直な表現をする
・引き出しを与え、その子どもの根になるものを私たちがどれだけ植えていけるか
最初は「美術と生きる」とは言っても、漠然としているような気がしていましたが
いざ学生会議に参加してみると様々な意見が聞け「美術」はとても奥が深いと改めて思いました。
とても充実した時間(約3時間)を過ごすことができました(^^)
(さいとう)
by seitokubi | 2015-09-22 15:31 | 3年次ゼミ(大成ゼミ)